コミュニケーションツールが支える医療介護者の連携

地域包括ケアと多職種連携とは

地域包括ケアと多職種連携とは

 厚生労働省は2025年を目途に、高齢者や認知症の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域における医療介護関係機関が連携して、包括的かつ継続的な治療・ケアを、患者またはその家族に提供できるサービス提供体制の構築を推進しています。この体制を地域包括ケアシステム(地域包括ケア)と呼びます。

 地域包括ケアシステム(地域包括ケア)では、市町村が中心となって地域の医師会などと密に連携しながら、在宅医療・介護の連携構築と質の向上、および効率的なサービスのを提供することを図っています。

 厚生労働省は、医療の質や安全性の向上及び高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するため、多種多様なスタッフが各々の高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに、お互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」を推進しています。これを「多職種連携」と呼びます。

 そのために、各医療職種間の情報共有が重要であり、医療情報のICT化(通信技術を活用したコミュニケーション)が有用であるとうたっています。情報共有をICT化することで、医療・介護職さらには患者・家族へのコミュニケーションがより効率的になり、医療・介護の質が向上につながると考えられています。

多職種連携の事例はこちらをクリック

多職種連携のメリットとは

 

1, 治療・ケアの質向上

各専門職が患者対応をした際に、患者(利用者)の状態を速やかに報告し、適宜、質問や提案を多職種に伝えることで、患者(利用者)の症状変化を捉えられるようになります。結果として症状変化への迅速な対応が可能になり、切れ目のない治療やケアが提供され、医療の効率化・質の向上が可能になります。

2, 患者(利用者)・家族の安心感に

患者(利用者)・家族の関係者間で目標を共有する事によって、患者(利用者)への一貫した対応が可能となり、すれ違いが回避されます。さらには、患者(利用者)本人の望む生き方が尊重され、信頼と安心感に繋がります

3, 自分自身の成長に繋がる

多職種とコミュニケーションをとりながら相談や意見交換をすることで、他の職種の視点や知識を学びながら成長することが期待されます。

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多職種連携におけるMCS(メディカルケアステーション)の関わり

 MCSは病院、在宅クリニック、訪問看護ステーション、薬局、介護施設、行政などにおける医療・介護関係者や患者・家族が、いつでもどこでも簡単にコミュニケーションできるチャット形式のコミュニケーションツールです。12万人以上の医療介護関係者が登録しており、全国で多数の医師会で採用されています。医療介護に関わる多職種での情報連携、医療介護関係者と患者・家族との情報共有ツールとして活用されています。

 当サイト(「メディカルケアポスト」)では、入退院前後での病診連携をMCSで行った事例や、災害時の連携などの活用方法をご紹介しています。患者(利用者)にとって切れ目のない医療・介護を提供するために、地域の特性や所属先に合わせて、MCSを活用している医療介護関係者へ独自に取材し、多職種連携の実際を記事にまとめています。

MCSを活用した多職種連携によるチーム医療は、今までの取材内容から、以下の効果が期待されます。

  • 患者のニーズに合わせた医療介護の提供

  参考事例:ICTで患者と繋がり、QOLを支える多職種連携(福岡県・北九州市)

  • 異なる専門職種がそれぞれの専門性を活かし助け合う相互支援

  参考事例:多法人・多職種連携力で高齢糖尿病患者の入院”ゼロ”へ (秋田・由利本荘市)

  • 様々な職種の視点に基づき、患者の生活背景まで把握した治療(ケア)計画の策定

  参考事例:“言葉の見える多職種連携”で患者家族とも繋がるACPを実践(大阪・大阪市立総合医療センター)

  • 患者・スタッフへの学習機会の提供

  参考事例:東日本大震災前からICTを駆使、診療所から地域力を育てる(横浜市・睦町クリニック)

  • 災害時などイレギュラーな場面での迅速な対応

  参考事例:災害時に役立った400名超の多職種ネットワーク『虹ねっとcom』(大阪・豊中市)

今後も、様々な医療介護現場で活躍される関係者の方々の参考となるよう、MCS活用事例をお届けいたします。

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